崎守駅 さきもり JR室蘭本線 北海道室蘭市(Open in Google Maps) 崎守駅は、工業都市・室蘭の外れにある無人駅。誰もいないホームの先に見えたのは、工場群と噴火湾。工場の向こうを大きな船がたまに横切っていきます。しかし、駅の前には住宅も点在。ちょっとした生活感と、空の広さのおかげで、駅はのんびりとした雰囲気に包まれていました。 訪問:2018年4月 / 更新:2022年6月5日 隣の 本輪西駅 から道南バスに乗り込み、降り立ったのは同じ室蘭市内の「崎守町」というバス停。そのバス停の目の前にあるのが、JR室蘭本線の崎守駅です。崎守駅は、丘と丘の谷間に設けられた無人駅。入口は青い階段のみで、駅舎はありません。階段を登った先、踊り場のような高架下のスペースからは、さらに2つのホームにそれぞれ続く階段が伸びています。おそるおそる、奥の東室蘭方面のホームへ。階段を登って振り返ると、景色が開けました。崎守駅の両側にはトンネルがあり、一見すると海らしさはありませんが…南を向くと、工場群の向こうにうっすらと噴火湾(内浦湾)。工業都市・室蘭らしい景色ですが、煙突など背の高い建物が少ないため、空が広く感じられました。4月下旬、春霞で水平線がぼんやりと霞む日ではありましたが、船が横切ると確かに海があることがわかります。ちなみに、海岸までは700メートルほど。室蘭本線は札幌と函館を結ぶ大動脈の一部。誰もいないホームを特急「北斗」が通過していきました。特急の車窓からは、この景色をじっくりと味わうことはできません。ホームの一部には屋根がありますが、年季を感じずにはいられませんでした。無機質な雰囲気の駅なのに、足元にはタンポポ。ちょっと遅い春の訪れ。ホームから改めて南側を見下ろすと、ちょうどバスに乗り込む人の姿。工場群のすぐ手前まで住宅が広がっているため、意外にも生活感がありました。駅の北側。こちらも谷筋を通る道沿いに住宅が並びます。また、300mほど西側の丘上には昭和40年代に造成された「白鳥台ニュータウン」も広がっていますが、崎守駅からその様子は伺えません。なお、崎守駅にトイレはなく、駅前にも商店やコンビニ、食堂は見当たらなかったため、必要となれば 白鳥台ニュータウンのスーパー まで足を運ぶことになりそうです。そして、崎守駅近くにあるスポットがもうひとつ。それが、ホームからも見える一本の坂(写真中央)です。この坂は「ムロラン地名発祥の坂」。室蘭の語源は、アイヌ語の「モ・ルエラニ(小さな下り路)」なのだそう。現在、室蘭市の中心地は室蘭駅の周辺ですが、明治の開港以前は崎守地区が要衝の地だったこともあり、この坂がフィーチャーされたようです。坂に登ると、正面に崎守駅。その向こうに白鳥台ニュータウンのある丘が見えました。崎守駅は、室蘭の新旧の街、それぞれの間にあるとも言えそうです。帰りは長万部方面へと向かう列車で。乗り込んだのは私だけでした。ちなみに、隣の 黄金駅 も海のよく見える駅です。