狩場沢駅 かりばさわ 青い森鉄道 青森県東津軽郡平内町(Open in Google Maps) 木をあしらった小さな駅舎の窓越しに、順光のくっきりとした青。陸奥湾の奥にある野辺地湾と、対岸の下北半島です。駅前からは、遠く離れた恐山山地の稜線も見えました。そして跨線橋に登れば、海をこれでもかと見下ろすパノラマビュー。屋根の生み出す影との対比で、海の青がいっそう印象的に映ります。 訪問:2017年5月 / 更新:2022年8月14日 青森駅から八戸方面に普通列車でおよそ40分。狩場沢駅に降り立つと、ホームからちらりと海が見えました。見えるのは、陸奥湾の支湾にあたる野辺地(のへじ)湾。ホームは上下で分かれていて、跨線橋で行き来できます。写真左手の山側に連なるのは、鉄道防雪林と思われるスギ林。隣駅である 野辺地駅の防雪林 は日本最古のものとして知られています。海側のホームにある、駅舎兼待合室の越しの海。陸奥湾の対岸にある下北半島もうっすらと見えます。無人駅のため、改札口はありません。待合室からの眺め。約11mという絶妙な標高にあり、海と駅との間に民家があるにもかかわらず、屋根の向こうにちゃんと海が見えるのです。一本の坂道から続く海。そのまま駆け下りたくなるような光景ですが、まずは駅の中を見てみます。ホームから海の見える場所の限られる狩場沢駅ですが、個人的に一番のビュースポットは跨線橋。訪れるまでは予想外でしたが、下北半島の稜線が視界いっぱいに広がる素晴らしい眺めです。駅から見て海は北東にあるため、晴れた昼間には順光のくっきりとした青が目を癒します。屋根と壁の生み出す影も、外の世界をいっそう際立たせていました。ほぼ全方位に惜しみなく窓が設けられているため、屋内ながらも見事なパノラマビュー。こちらは下北半島の付け根。海岸線にはJR大湊線が通っており、ちょうど 有戸駅 付近と思われます。有戸駅も海の見える駅です。山側のホームから海のほうを見ると、ちょうど駅舎の前で視界が抜けていることがわかります。木を意匠にあしらったかわいらしい駅舎と海のコラボもなかなか。駅舎を抜け、いよいよ駅前へ。ロータリーなどはなく、こぢんまりとした駐輪場と自動販売機が置かれていました。民家の立ち並ぶ駅前。たまたま庭仕事など軒先で作業される方を何人か見かけ、生活感を感じました。北の方角に見えたのは、40km以上離れた 恐山山地。駅前の道を下ると、国道4号に行き着きます。目の前の野辺地湾を含め、陸奥湾は養殖ホタテの一大産地。地図で見る限り、駅周辺の国道沿いにはホタテの直売所が何軒もあります。ちなみに、狩場沢駅にある平内町は、養殖ホタテの水揚げ高が日本一だそう(参考)。そばに商店と書かれた建物があったものの、営業している様子はありませんでした。そのほか近くにコンビニなどはないものの、600mほど離れた場所に 喫茶店 があるようです。狩場沢駅には、実はもうひとつ出口があります。それが、この緑色の跨線橋を登った先。跨線橋からホームとは別に駅の外へと降りる階段があり、駅の山側につながっています。こちらには看板などなく、明らかに裏口という様子。目の前はスギ林と未舗装の道。その向こうには、数えるほどの建物と大きな牧場があります。住宅街があるならまだしも、このような場所に裏口が設けられているのは、なかなか珍しい光景です。