下北半島を陸奥湾に沿って南北に走る、JR大湊線。終着の 大湊駅 と合わせて、海の見えるもうひとつの駅が、ここ有戸駅です。周りを広い畑と原っぱに囲まれ、まるで高原のようなロケーション。しかし、ホームからは近くに野辺地湾を見下ろせます。その向こうには八甲田山の雄姿も。昼間に停車する列車はごくわずかですが、他にはない開放的な景色が迎えてくれました。
有戸駅
ありと
- 昼間は有戸駅に停まる普通列車が極めて少ないため、野辺地駅から 下北交通 野辺地線のバスで訪問。最寄りの「有戸」バス停で降りました。
- そのまま国道279号を200mほど南下し、ガソリンスタンド跡を左に曲がると…
- 突き当たりに有戸駅があります。階段の上に小さな待合室とホームがあるだけの、とても簡素な造り。もちろん無人駅です。
- 駅前には民家や畑が点在していますが、商店はバス停の前にあった酒屋のみ。人の姿もありませんでした。
- 独特の駅名板が掲げられた待合室。ですが、2019年には新しいものに建て替えられたそう(参考、訪問は2017年5月)。
- 階段でホームに上がると、国道からは見えなかった海の姿。陸奥湾の一部にあたる野辺地(のへじ)湾です。
- ホームの野辺地寄りの先端。海との間に草地や畑の緑が広がり、屋根のないホームと相まって開放感は抜群。遮るものがなく、ひんやりと強い風が常に吹き抜けました。
- 左手の山が標高1,500m級の八甲田山で、中央の山が標高720mの烏帽子岳。写真右手の対岸は、青い森鉄道の 狩場沢駅 付近にあたります。
- 訪れたのは5月。国道沿いの桜が咲き誇る一方で、八甲田山はたっぷりと雪を冠していました。
- 海側だけでなく山側にも畑が広がっているため、まるで野原の中にぽつりと駅が置かれたようなロケーション。
- こう見ると、駅名標と似たような構図ながら、稜線が異なることがわかります。恐山山地は写真のアングルから大きく右を向いた方向にありますが、民家と被ってしまいます。
- とはいえ、有戸駅から見える景色も風情は十分。
- ちょうど快速「しもきた」が通過。
- ホームの端には「S」「風」と書かれた標識がありますが、これは強風による速度規制区間を示す標識だそう(参考)。そのはるか向こうには発電用の風車群。大湊線は強風による運休が多いようですが、納得です。
- ホームの先端から大湊方面を眺めると、海のそばにありながらも、まるで高原のような景色が広がります。ちなみに、有戸駅から隣の吹越(ふっこし)駅の間は、線路がひときわ海に近づく区間。大湊線のハイライトです(参考)。