雲ひとつないマジックアワーの夕暮れに、富士山の稜線がくっきりと。その手前には港に到着したフェリーの明かり。ここは富士から遠く離れた千葉県の浜金谷駅。ホームからは海の見えないこの駅も、跨線橋に登れば東京湾を一望。空気の澄んだ幸運な日には、海と富士山の共演を目の当たりにできます。
浜金谷駅
はまかなや

- 日本百低山にも選ばれた鋸山(標高330m)の麓にある浜金谷駅。駅からも壁のように立ちはだかる鋸山の姿を見られます。休日の昼頃、隣の 竹岡駅 を訪れた後に訪れましたが、列車到着前後のホームには多くの観光客の姿がありました。
- ホームからは海の見えない浜金谷駅ですが、跨線橋に登れば、北西に東京湾を望みます。そして、その先にはなんと富士山もくっきり。降り立った観光客も何人か、足を止めて見ていました。空気の澄んだ日に限りますが、浜金谷駅も竹岡駅と同様、海越しに富士山を望む貴重な駅なのです。
- そこへやってきたのは、東京湾フェリー(写真右)。駅から500mほど離れた 金谷港と、東京湾の対岸にある久里浜港を約40分で結びます。手前のヤシの木たちがいささか南国情緒を誘います。
- 跨線橋からは南にも海を望みます。この日は伊豆大島までもうっすらと見えました。
- 遠くには無数の船。さすが東京湾です。
- 足元には金谷の街並み。周囲を山に囲まれている分、海沿いには家や店が密集しています。
- 小さな改札口を抜けて、駅の外も見てみましょう。ちなみに、浜金谷駅は有人駅で、土日には特急「新宿さざなみ号」も停車します。
- 駅前には 鋸山ロープウェー やフェリー乗り場への案内板。それぞれ歩きで、フェリー乗り場へは7分ほど、鋸山ロープウェーの乗り場までは10分ほど。駅前の一等地にあるのが釣具店というのが趣深いです。
- 水色の瓦屋根がかわいらしい駅舎。青空に見事に映えていました。
- 駅前の道を2分ほど歩いて国道を渡ると、金谷海浜公園があります。波しぶきを浴びるほどの強風の中、目に飛び込んだのは、波と富士山の見事な光景。葛飾北斎の浮世絵「神奈川沖浪裏」が動いているかのようでした。
- 南を向けば、穏やかで生活感にあふれた金谷漁港も見えました。この金谷海浜公園、ひっそりとしていながら様々な海の姿に出会える、なかなかのビュースポットです。
- 富士山の稜線と海を見ながら迎える、百点満点の日没。
- 日没直後、富士山をよく見ると、うっすらと赤らんで見えました。いわゆる「赤富士」は早朝の現象ですが、夕暮れの富士山もなかなかに幻想的でした。
- マジックアワーに光る線路と、誰もいない静かなホーム。
- 夕暮れに見とれていたら、港に久里浜行きのフェリーが到着。強風による運休が心配でしたが、どうやら動いている様子。帰るには、あの船に乗らなければいけません。
- 早足でフェリーに乗り込むと、またしても富士山の姿。遮るものがないぶん、その稜線はいっそうくっきりと。
- 船からもこれほどの夕暮れが見られたのは嬉しい誤算。しかも、船は動き始めても眺望を遮られることがありません。次にいつ見られるかわからないこの絶景を、最後の最後まで目に焼き付けました。


















