深く鮮やかな青の水面。その向こうには横浜・みなとみらいのビル群。東京湾を見下ろす竹岡駅は、房総半島でも屈指の眺望を誇る無人駅です。天候に恵まれたこの日は、全国にあまたある駅でもほとんど見られない、海越しの富士山にも出会えました。
竹岡駅
たけおか
- 千葉駅からは普通列車で約1時間半の場所にある、竹岡駅。今回は東京駅から館山行きの高速バス「房総なのはな号」を使い、駅から2kmほど離れた「国道竹岡」バス停から歩いて訪れました。無人駅ながら、2007年に改築された駅舎が近代的です。
- ホームは海側と山側に一つずつ。駅の周囲は一見、森に覆われているように見えますが…
- 跨線橋に登れば、青々とした東京湾の大パノラマ。屋根もないため、開放感は抜群です。
- しかもこの日は、駅からなんと富士山の姿。位置関係的に海越しに富士山を見られる駅は、実はほとんどありません。私が実際に見たのは、ここ竹岡駅と、隣の 浜金谷駅(後日更新予定)のみです。
- 青の中に、たっぷりと雪を身にまとった白い稜線。思わず目を奪われます。竹岡駅を以前訪れた際に富士山は見えなかったため、運による要素も大きいでしょう。この日は3月でしたが、まったく霞みがないのは幸運でした。
- 跨線橋から目線を下ろせば、斜面に点在する畑と家々。緑と青、自然物と人工物の対比もたまりません。
- 竹岡駅は、ホームからの景色もまた格別。標高約20mの高台にあり、木更津寄りまで行けば視界もかなり開けます。
- 白波が立つ東京湾の向こうには、30km以上離れた対岸・横浜みなとみらいのビル群が見えました。まるで精巧な模型のよう。
- ちなみに、ホームからも富士山がちらり。
- 駅舎も一部がガラス張りになっているおかげで、駅舎越しにも東京湾を見下ろせます。
- 出口のはるか先には、三浦半島の観音埼灯台。東京湾沿いには目印になる建物があまたあるため、手元で地図と照らしながら景色を眺めるのも、面白いでしょう。
- 竹岡駅前から海へと向かう坂道を降りて国道127号を越えると、萩生漁港に行き着きます。
- こちらはさらに北にある竹岡漁港。河津桜のピンクが青空に映えていました。同じ東京湾でも、漁港の少ない対岸の神奈川県とはまた違った風情です。
- 竹岡漁港の周辺には大きな集落が広がっており、郵便局や店も点在。近くにある竹岡ラーメンの有名店「梅乃家」に入ろうとしましたが、大行列につき断念しました。
- 空いた時間で、竹岡駅のすぐ近くにある国の天然記念物「竹岡のヒカリモ発生地」を訪問。入口の鳥居には「黄金井戸」と書かれていました。
- 正面の小さな洞穴に入ると、足元には確かに黄金色に輝く水面。毎年3〜5月頃になると、小さな洞穴に発生するヒカリモが外の光線を反射してこのようになるそう。
- 青から黄金色まで、鮮やかな水面を満喫。偶然にもそんな二色の帯をまとった列車で、竹岡駅を後にしました。