朝霧駅 あさぎり JR山陽本線 兵庫県明石市(Open in Google Maps) 改札を入ると一面、青い光が差し込む世界。ガラス越しに見えるのは明石海峡です。海を向いたベンチに腰掛ければ、弧を描いた砂浜に、緑に包まれた淡路島。そして、世界で2番目に長い明石海峡大橋がひと目に収まります。神戸・三宮からわずか30分。朝霧駅はベッドタウンにありながら、ぜいたくな列車待ちの時間を味わえる駅です。 訪問:2022年5月 / 更新:2022年9月3日 通勤型の電車から朝霧駅のホームに降りるとすぐ、明石海峡大橋が見えました。その足元の海は、瀬戸内海の明石海峡です。駅と海の間には、交通量の多い国道2号と山陽電鉄の線路があり、車も列車もひっきりなしに行き交います。ホームそのものは、郊外のごく一般的な駅という印象。列車が発った直後をのぞけば、人が途切れることもありませんでした。ホームからも海は見えますが、朝霧駅で一番のビュースポットが、海側が全面ガラス張りの跨線橋。海を向いたベンチも置かれています。通路の正面にガラス越しの海。茨城県の 日立駅 を彷彿とさせます。大小の船がときおり横切っていく様子も絵になります。日中でも15分待てば次の列車が来ますが、離れるのが惜しくなる眺めです。海を向いた大きな窓のおかげで、通路全体に青い光が差し込んでいました。180度向きを変えれば、目の前には改札口。朝霧駅の出口は山側にしかありません。1998(平成10)年に改築された駅舎は近代的な印象。改札口のそばにはコンビニもあります。改札口から海までまっすぐ抜ける造り。地の利を活かした小憎い設計です。毎日のようにこの景色を眺められる地元の方がうらやましい限り。ロータリーの整備された駅前広場。線路を境に、山にかけて閑静な住宅街が広がります。駅の向こうには建物がないため、駅舎が青空に映えていました。山側の駅前から、線路を越えて海へと降りてみます。駅前から海へと向かう唯一のルートが、朝霧駅の上に架かる歩道橋。正面ではすでに、爽やかな海の青が顔をのぞかせます。100mほどの歩道橋の先端は、展望デッキのようなスペース。世界で2番目に長い吊り橋、明石海峡大橋(全長3,911m)も一望できます。ちなみに、2022年3月までは世界最長でした(参考)。足元に広がるのは、海水浴場もある 大蔵海岸公園。海開き前の5月に訪れましたが、砂浜で遊ぶ人も多くいました。須磨駅 といい、神戸・明石エリアの街と海の近さには、訪れるたびに驚かされます。明石海峡が好漁場であるゆえか、橋のそばには数多くの漁船がいました。対岸の淡路島まではおよそ4km。淡路サービスエリアにある 大観覧車 もはっきりと見えました。歩道橋から振り返って見た朝霧駅。薄いブルーの外観をしていました。中央のガラス窓が、先ほど海を眺めた跨線橋の先端部分です。線路をちょうど、山陽電鉄、JR山陽本線(神戸線)の普通電車と新快速が同時に通り過ぎていきました。ただ、朝霧駅に停車するのは、JRの普通列車のみです。歩道橋から大蔵海岸公園に降りてきました。写真右の船は「MALT’SマーメイドII号」というヨット。1999(平成11)年にサンフランシスコから太平洋を横断し、ここ大蔵海岸へと到着したのだそう。五月晴れの下、砂浜ではしゃいだり、ベンチでぼうっとしたり。公園では、老若男女が思い思いの時間を過ごしていました。