海芝浦駅 うみしばうら JR鶴見線 神奈川県横浜市鶴見区(Open in Google Maps) 日の入りを過ぎた頃、ちょうど工場で仕事を終えた人々が列車に乗り込んでいきました。海の見える駅の静かなラッシュアワーです。ここ海芝浦駅は、東芝の工場の敷地内にあり、関係者以外は駅から出られないという変わった駅。それでも、乗り込む従業員さんと入れ替えに、海を見に降りるお客さんも多くいました。 横浜駅から約30分、東京駅から約45分。本数は1時間に4本〜2時間に1本。列車以外でのアクセスは不可。 訪問:2015年1月 / 更新:2015年1月11日 海芝浦駅は、鶴見と京浜工業地帯を結ぶ鶴見線の終着駅の一つ。京浜運河の真横、東芝の工場内にあり、駅名も東芝の前身である「芝浦製作所」にちなんでいます。首都高速湾岸線の鶴見つばさ橋。ホームから見たとは思えない絶景です。鶴見方面を望む。線路はすぐに左にカーブして、別の運河沿いを通ります。駅を一歩出れば東芝の私有地になるため、駅を出ることができるのは東芝や工場の関係者のみ。いわばこの工場のための駅なのです。とはいえ、この珍しい駅や景色を目当てにやってくる一般のお客さんも少なくありません。駅の先には一般客も使える「海芝公園」という小さな公園があり、ベンチに座って海を見ながら休憩することができます。昼間の海芝公園。開放感抜群です。夕暮れの海芝浦駅。昼間とは異なる趣があります。運河の先に見えるのは、横浜ベイブリッジです。ここは京浜工業地帯のど真ん中。周辺には無機質な工場群が立ち並びます。鶴見行きの列車が発車を待ちます。ベル一つ鳴ることなく、列車は静かに出発しました。工場の終業時間も近づくであろう時間帯、間もなく次の列車がやって来ました。工場で仕事を終えた人が続々と乗り込みます。列車のダイヤも工場仕様。それにしても昼間の本数の少なさには驚きです。終着駅の単線で短い列車が発車を待つ様子は、まさにローカル線の風情。念のためですが、ここは横浜市鶴見区です。ふとベンチの下の隙間を見ると、海面が見えました。さらに日も暮れ行く、冬の午後5時半。列車が行った後のホームに立つと、世界に取り残されたような気分になります。海芝公園からの夜景。ここまで海と夜景を間近に見られる駅は他にはありません。