海浦駅 うみのうら 肥薩おれんじ鉄道 熊本県葦北郡芦北町(Open in Google Maps) 集落の先に広がる八代海、そして天草の島々が織りなす多島美。振り返れば、段々畑に、緑の濃い山々。集落の一番奥に位置する海浦駅は、そんな自然あふれる情景をひっそりと堪能できる、小さな展望台でした。 訪問:2016年9月 / 更新:2020年6月20日 「海」に「浦」。その名にあふれる海感は眺望にもちゃんと表れていました。標高約30mの高台にあり、遠く八代海の先には、樋島(ひのしま)や上島など、天草の島々が見えました。駅舎はなく、待合室とも呼べない上屋の付いたスペースと、一本のホームがあるだけ。トイレも自動販売機もありませんでした。かわいらしい実と、可憐な花。隣の果樹園と思しき畑から、枝が飛び出していました。海浦駅の周囲は地形の起伏が激しく、駅の裏には段々畑もありました。踏切を渡り、海のほうに降りてみます。周辺には住宅が点在していますが、広い道がなく、もの静か。振り返れば、そこは急峻な山に囲まれた内陸の駅のよう。線路と直角に架かるのは、七浦オレンジロードの橋です。5分ほど歩くと、国道3号線に出ます。国道沿いを中心に集落が広がっていますが、コンビニなど目立ったお店はありませんでした。国道3号線には、肥薩おれんじ鉄道の肥後田浦駅〜水俣駅間と並行するように、九州産交バス が走っています。国道を超えると、こぢんまりとした海浦港があります。内湾かつ防波堤に囲まれているので、波は非常に穏やか。近くには砂浜もありました。海浦海水浴場 です。海沿いを散歩しつつ、駅へと戻ります。海から駅へ戻る道中には分かれ道が多く、看板をよく見ないと迷います。海浦駅に戻るとまもなく、八代行の列車がゆっくりとホームに到着。当時、土休日限定で走っていた「ゆうゆうトレイン」です(2017年に廃止)。車窓を楽しむためにあえて速度を落として走る、快速ならぬ「鈍足」列車でした。海浦駅にもちゃんと停まりますが、今回は乗らずに見送り。眺望抜群のベンチで、南の川内方面へと向かう次の列車を待ちます。