堂々たる石垣を映した、鏡張りの堀の水面。実は海水です。高松市にあるターミナル、高松築港駅に隣接するのは、高松城の内堀。この内堀は瀬戸内海とつながっており、よく見るとタイやフグも泳いでいます。この堀を海と呼ぶかはさておき、都市の一角で唯一無二の情景に出会えるのは確かです。
高松築港駅
たかまつちっこう
- 日生駅 を訪れた後、駅前の日生港から出航するフェリーで小豆島へと向かった私。その後、バスと高速船を乗り継いでやってきたのは、高松港の客船ターミナルです。
- ここから歩いてわずか4分の場所にあるのが、「ことでん」こと高松琴平電気鉄道の始発駅・高松築港駅。
- 駅前の風景です。JR高松駅からもほど近く、駅前にはホテルやビルが林立。一方、背後には 史跡高松城跡・玉藻公園 があり、緑もあります。足元には、ことでんのキャラクター「ことちゃん」にも似たイルカの石像も。ちなみに、ことでんのキャラクターが イルカ である理由は衝撃でした。
- さて、入口を入って正面の改札口。向こうにはすぐ頭端式のホームが見えます。都市部の小さな終着駅という風情で、海が見える気配はありません。
- しかし、奥の1番のりばをまっすぐ進むと…
- 石垣の切れ目から、いきなり堀が出現。高松城の内堀です。しかも、ホームのすぐ脇まで迫っています。
- 一般的な城の堀なら海とは無縁ですが、実はこの堀は海水。潮の干満によって水位も変わるそうです。日本三大水城の一つであり、かつては瀬戸内海に面していた高松城。海との間に国道30号が通る今でも、堀の水は海とつながっているのだとか。
- それゆえ、見下ろすとホームの足元の石垣に貝がついており…
- タイやフグなど、海水魚が泳ぐ姿も見えました。ただ、流れがほとんどないためか、水が濁り気味なのは致し方ないところ。
- 果たしてこの堀を海と呼ぶかはさておき、他の駅ではまず見られない、城そのものの景色が広がります。
- 正面に掛かる木造の橋は、高松城の二ノ丸から本丸に続く「鞘橋」。立派な石垣、松の木と相まって風情たっぷり。
- でも、振り返ればそこは街のターミナル。
- 駅を挟んでまるで時代の異なる、不思議な駅です。
- 最後に、線路に挟まれた2・3番のりばへ。
- ホーム越しに見る堀と石垣も乙なもの。
- 「築港」の文字とともに、岸壁までいっぱいに湛えられたこの水面を見れば、不思議と海に思えてくるのは私だけでしょうか。