末続駅 すえつぎ JR常磐線 福島県いわき市(Open in Google Maps) 福島県では唯一、海沿いを走る鉄道路線の常磐線。その中でも特に海に近い駅が、ここ末続駅です。震災では、周辺の集落が津波の被害にあったほか、常磐線も半年以上にわたり不通に。それでも、赤い屋根の木造駅舎は今も丁寧に手入れがされ、ホームには色とりどりの花が咲き誇ります。 上野駅から特急「ひたち」と普通列車で約3時間。本数は1〜2時間に1本。無人駅。 訪問:2005年7月、2006年8月、2017年4月 / 更新:2017年6月25日 末続駅に降り立つと、色とりどりの花が出迎えてくれます。きっと地元の方たちが育てているのでしょう。(2017年4月)花のある情景は、10年以上前から変わっていません。(2006年8月)ホームから仙台方面を望む。2018年9月現在、この先列車で行けるのは4つ先の富岡駅まで。(2017年4月)東を向けば、眼下には一面の太平洋。末続という駅名の由来は、「扇状地の末端に開けた集落のそのまた先を開拓したことを表す地名」(駅舎内のパネルより)だとか。(2017年4月)白いコンクリートの塊は、震災後にかさ上げされた、末続川と海岸沿いの防波堤。悔しいですが、津波の被害により、その周囲は更地になってしまっていました。(2017年4月)震災前は防波堤も低く、太平洋がより近く見えました。(2005年7月)また住宅も点在し、田んぼが海のすぐそばまで広がっていました。(2005年7月)周辺に島もなく、ひたすらに伸びる水平線。時折遠くを船が行き交います。(2017年4月)駅の山側には住宅が立ち並び、その向こうに国道6号線が通ります。(2017年4月)こちらは以前、一面が田んぼでした。(2006年8月)駅舎の中は広々としていました。改札の跡も残ります。(2017年4月)駅ノートもありました。駅舎内には、1947(昭和22)年の開業当時の写真も飾られています。(2017年4月)駅舎は鮮やかな赤い屋根。扉も木製のままで、修繕されながら大切に使われていることを窺わせます。(2017年4月)駅前の坂道を登ると、太平洋が少しだけ顔を出しました。坂道は国道6号線へと続きますが、国道沿いも含めて、周辺にコンビニや商店は見当たりません。(2017年4月)国道6号線から見た末続駅。この日は夏のように暑く、陽炎に揺れています。列車の青い帯が太平洋に馴染んで爽やか。(2017年4月)一方、駅前の坂道を下り、線路をくぐると、更地の中に末続川の真っ白な真新しい堤防が目に入ります。(2017年4月)震災前には、海と田んぼが同時に見える長閑な情景が広がっていました。いかにも「日本のふるさと」を思わせる素敵な場所でした。(2006年8月)海岸から辺りを見回す限り、自分ひとり。畑も田んぼも今はほとんどありません。末続駅は津波の被害こそ免れましたが、10年前に訪れたときほど人の姿がないのもまた事実。穏やかな水平線を見つめながら、この地が少しでも活気を取り戻すことを願わずにはいられませんでした。(2017年4月)