島越駅 しまのこし 三陸鉄道リアス線 岩手県下閉伊郡田野畑村(Open in Google Maps) 真新しいホームに降りると、深い谷の間から太平洋の水平線が見えました。あの日の津波で駅舎だけでなく、線路の橋脚もろとも消失した、島越駅。わずか3年後には、かつての面影をまとった駅舎とともに再建を果たしました。2016年の訪問時、駅周辺は工事中で人影もまばら。しかしその後は駅前に公園ができたり、駅舎内に食堂がオープンしたりと、少しずつ新しい魅力が増え始めています。 訪問:2016年2月 / 更新:2020年3月8日 宮古からも久慈からも約40〜50分の場所に位置する、島越駅。トンネルに挟まれた谷にあります。正面には太平洋が見えました。かつては駅前に海水浴場があったようですが、面影はなく、水門と防潮堤の工事が続いていました。駅の愛称は「カルボナード」。宮沢賢治の『グスコーブドリの伝記』に登場する 火山島の名前にちなんでいる そうです。ホームには震災前の島越駅の俯瞰写真が貼ってありました。かつての駅舎は、谷を流れる松前川の対岸(写真中の緑のフェンス付近)にありました。旧駅跡は2017(平成29)年に「島越ふれあい公園」として整備され、旧駅でわずかに残った階段や、駅前にあった宮沢賢治の歌碑を遺構として保存しています。振り返れば、赤レンガ調の立派な駅舎。島越駅は、実は地元の自治会に窓口業務などが委託された有人駅です。天井が高く、広々とした駅舎の内部。訪問時にはジオラマなどが展示されていたほか、売店でお土産などが販売されていました。2019年には 食堂もオープン、さらに賑わっているようです(営業時間などはこちら)。八角形の塔屋は 旧駅舎の面影を残したもの だそうです。駅前は大きく嵩上げされ、広々としたロータリーが広がっていました。2019年夏には、「あまちゃん」にも出演した薬師丸ひろ子さんがここで ライブを開いています。バス停もあり、コミュニティバスの「タノくんバス」が通学時間帯を中心に運行されています。駅前のコミュニティセンターの裏手には、険しい斜面が迫っていました。駅前の道は、海の方へと続いています。突き当たりを右に進み、7分ほど歩くと「北山崎断崖クルーズ」の観光船乗り場や漁港があります。海側から島越駅を仰視。真新しく真っ白な築堤と青い空に、赤い駅舎がいっそう映えていました。