市場前駅 しじょうまえ ゆりかもめ 東京都江東区(Open in Google Maps) 誰もいないホームから望むのは、青い晴海運河と大都会・東京の街。しかし、すぐ足元には広大な更地と未開通の道路が広がっていました。ここは駅名の通り、築地に代わって「日本の台所」となる豊洲市場の最寄り駅。いよいよ市場が開業し、更地の開発も進めば、いつか海が見えなくなってしまうのかもしれません。 新橋駅から27分。休日の日中の本数は1時間に15本。無人駅。 訪問:2017年1月 / 更新:2018年10月6日 築地市場が豊洲に移転する前の2017年1月に訪問。市場前駅は新橋駅から直線でわずか3kmの距離にあります。にもかかわらず、ホームに降りても人ひとりいませんでした。23区内で乗車人員の最も少ない駅なのも頷けます(参考)。ホームドアがやや窮屈ですが、天窓のおかげで少し開放感がある造りです。北東の方角には晴海運河があり、対岸の晴海エリアのタワーマンション群が正面に見えます。東の芝浦方面を向けば、東京タワーや六本木ヒルズなどの高層ビル群を一望できます。駅前の更地との対比が凄まじいです。ゆりかもめは臨海エリアをぐるっと囲むような線形をしているため、ホームから目を凝らせば、東京湾の向こうの竹芝駅付近を通る列車も見えます。駅のすぐ西側には豊洲市場の青果棟が建っています。北西には、隣の新豊洲駅と豊洲駅周辺のビル群。ゆりかもめでは駅ごとに「駅文様」を定めていますが、市場前駅は「変わり縞に蟹文様」。ホームから改札口に降りてきました。正面には豊洲市場とつながるペデストリアンデッキへの出口がありますが、シャッターはまだ下ろされていました。券売機と改札機が口を開けてお客さんを待っているかのよう。案の定、お客さんも駅員さんもいません。市場側の出口。人の気配はありません。白い実をつけたセンダンの木だけが季節の移ろいを感じさせます。駅前の交差点の上にはペデストリアンデッキが設置され、豊洲市場の各棟を行き来できるようになる見込みです。駅前の交差点に合流する環状2号線。豊洲市場の開場と合わせて暫定開通予定です(参考)。ちなみに、この先の豊洲大橋を渡って1.5kmほど進むと、築地市場に行き着きます。今度は晴海運河側の出口へ。改札前のコンコースからも運河が見えました。こちらの駅前はほぼ更地。円形劇場の「IHIステージアラウンド東京」が目立ちます。ここに大きな建物が建てば、駅から運河は見えなくなるかもしれません。人はいなくとも、列車はひっきりなしに行き交っていました。駅が賑わう日ももうすぐです。