大狩部駅 おおかりべ JR日高本線 北海道新冠郡新冠町(Open in Google Maps) *大狩部駅は 2021年4月1日に廃止 されました。記載の情報・写真は訪問当時のものです。 海の見える小さな駅に降り立つと、しばしば世界にひとり取り残されたような感覚に陥ることがありますが、大狩部駅ほど強くそう感じた駅はありません。1両編成の列車から降りたのは私一人。舗装されていないホームには屋根もなく、所々ぬかるんでいました。見渡せば、海しか見えないと言っても過言ではない景色。北海道の緩やかな海岸線が視界いっぱいに続きます。 訪問:2013年3月 / 更新:2022年9月11日 北海道の南側、太平洋沿いを走る日高本線。そのほぼ中間に大狩部駅があります。ホームの先端から苫小牧方面を望む。たった1両のディーゼルカーが、私だけを降ろして去って行きました。雨のせいで遠くは霞んでいます。春先の曇り空、枯れ草、舗装のされていないホームと相まって「荒涼とした」という言葉がぴったりの景色。駅の山側には国道235号線が通っており、意外にも交通量は少なくありません。列車を待っている間は車の通る音ばかりが聞こえました。国道の下をくぐるトンネルから。国道をくぐると別の道路があり、周囲には住宅はありました。商店等は見当たりません。天気のせいもありますが、世紀末的です。景色に合わせて作ったかのような、ドアも窓もない待合室。待合室の中にベンチは一応あります。雨脚が強まったので、しばし待合室から海を眺めます。ようやく帰りの列車がやって来ました。