大三東駅 おおみさき 島原鉄道 長崎県島原市(Open in Google Maps) 海の見える駅は数多かれど、大三東駅は「日本一海に近い駅」の一つと言えるでしょう。屋根も柵もない開放的なホームに、足元から広がる一面の穏やかな有明海。もはや映画の世界にいるようです。ちなみに、有明海は干満の差が日本一大きい海。大三東駅からの景色も干潮時にはうって変わり、遠浅の干潟が美しい砂模様を描きます。また、ホームから見る朝焼けも格別。一日中いても惜しくない、貴重な海の見える駅です。 訪問:2016年2月、2016年11月、2018年10月 / 更新:2019年8月14日 11月初旬、島原の宿を出て、日の出前の午前6時に到着。降りるやいなや、幻想的な風景に出会えました。(2016年11月)沖に並ぶ海苔の養殖に使う竹が、じつに有明海らしい光景です。(2016年11月)このときは干潮。夜明けに反射する干潟の砂模様が沖まで続いていました。この写真は 書籍『海の見える駅』の表紙にも登場しています。(2016年11月)諫早行きの黄色い列車が到着。2人のお客さんが乗り込んでいきました。(2016年11月)そして、海側のホームで迎えた日の出。視界を邪魔するものは何一つありません。(2016年11月)波のほとんど立たない海面は、まさに鏡張りのようでした。(2016年11月)南には雲仙岳。海と山のパノラマです。(2016年11月)駅の外に出てみました。駅前には国道251号線が通り、車通りもそれなりにありますが、駅の中ではほとんど気になりませんでした。(2016年11月)どこをどう切り取っても絵になってしまいます。(2016年11月)ところで、ホームに架かっていた黄色い旗のようなものは、島原鉄道のイベントで集められたメッセージ入りの「幸せの黄色いハンカチ」です。(2016年11月)よく見てみると、そこには子どもたちの微笑ましい絵や言葉の数々。(2016年11月)刻々と明るむ薄青の空に、黄色いハンカチが良いアクセントでした。(2016年11月)どうしても晴れた昼間に訪れたくて、およそ2年後に再訪。以前ホーム頭上に架けられていたハンカチたちは、専用のフェンスに移されていました。(2018年10月)しかも今度は満潮のタイミング。ちなみに、日ごとの干満の時刻は 潮MieYell(しおみエール) で事前に調べることができます。(2018年10月)前回干潟が広がっていたのが幻のように、足元まで青い海水が迫っていました。目測ですが、海面まで大人ひとり分といったところ。波の穏やかな有明海だからこその造りです。(2018年10月)ちなみに、これほど海面とホームが近づく駅は、海芝浦駅・新芝浦駅・池の浦シーサイド駅(廃止)・梅津寺駅 を除いて類を見ません。その中でも、柵もないのは大三東駅だけ。大三東駅は、日本一海に近い駅の一つと言っていいでしょう。(2018年10月)この日はおよそ20km先の対岸に広がる熊本・阿蘇の山々もくっきりと見えました。(2018年10月)待合室に座るだけでこの絶景。『千と千尋の神隠し』に登場する「海原電鉄」を彷彿とさせます。(2018年10月)満潮にもなると、船もかなり近くを通ったり浮かんだり。海の方ばかり見ていると、こちらまで海に浮かんでいるような錯覚に陥ります。(2018年10月)真っ青な青を背景に、鮮やかな黄色の列車がゆっくりと滑り込んできました。(2018年10月)黄色い列車は島原鉄道のシンボル。(2018年10月)ベンチも最初はきっと黄色だったのでしょうが、潮風にさらされて味が出ていました。(2018年10月)待合室には、前回なかったこんなポスターも。ハンカチは一定期間掲げた後、神社へ奉納されるのだそう。なお、2019年3月からは ハンカチの無人販売 も始まっています。(2018年10月)海側の待合室にはオフィシャルな駅ノートも置かれていました。大三東駅に訪れるのはこの日で3回目ですが、訪れるたび、駅全体にちょっとずつ力が入ってきています。(2018年10月)駅舎も青空の下だと、また違った印象です。(2018年10月)駅前の国道251号線沿いには住宅地が広がるほか、商店や簡易郵便局もありました。島鉄バス も島原鉄道と並行して走っていて、本数も列車とほぼ同じ毎時1本程度はあります。(2018年10月)また、国道を300mほど北に進めば、立派なレストラン「仲よし」「和香」や コンビニ もあります。静かな無人駅ながら、食事に困らないのはありがたい限り。補給を挟みつつ、駅にいつまでも居たくなってしまいそうです。(2018年10月)