大堂津駅 おおどうつ JR日南線 宮崎県日南市(Open in Google Maps) 夏に花開くサルスベリの向こうに、海水浴場がちらり。宮崎駅からさらに南へ、普通列車で約1時間半の場所にある大堂津駅。ホームと海の間には立ち並ぶ家々の隙間から、砂浜と渚が見えました。その海水浴場までは徒歩3分。次の列車まで、のんびりと砂浜を歩くのもおすすめです。 訪問:2016年9月 / 更新:2023年6月24日 大堂津駅は、日南海岸沿いの小さな街の中にある静かな無人駅。時期は9月。列車を降りると、じりじりと日差しが照りつけました。 ホームの南端、志布志寄りから海のほうを向くと、民家の庭越しに太平洋がちらり。 お庭を挟むとはいえ、大堂津海水浴場の砂浜も目と鼻の先。穏やかな波打ち際をホームから目の当たりにできます。海の向こうに見えるのは 日向大島。現在は無人島ですが、日南市の運営する 滞在施設 と 定期航路 があります。ホームの北端、宮崎寄りから見えるのは、広々とした大堂津漁港。写真中央右に等間隔で並ぶ奇岩は「七つ岩(ななつばえ)」と呼ばれるもの。大きな上屋とベンチで、夏の日差しを避けてひと休み。志布志方面に向かう普通列車がやってきました。本数は1〜3時間に1本ほど。列車は誰も降ろさずに、さらに南へと出発。ホームを出て、山側にある駅舎のほうへ。広々とした構内には、ランタナの花が咲き誇っていました。2016年の訪問当時、年季の入った駅舎と味のある駅名標がありました。ただ、この駅舎は2019年に建て替えられており、残念ながら現在はありません。駅舎の内部には、塞がれた窓口や、掲示物を外した跡など。時の流れを感じさせてくれました。1936(昭和11)年の開業時から使われてきたという駅舎。潮風にさらされて老朽化が進み、2019年に よりコンパクトなもの に建て替えられました。力強い書体の駅名板も味がありました。駅前の小さなロータリーには、なぜか真っ青な人魚像。その背後には、かつて大きなフェニックスの木も立っていたそう(参考)。人通りこそ少ないですが、駅前を国道220号が横切るほか、周辺には商店も点在しており、寂しさはありません。大堂津駅からも見えた大堂津海水浴場には、駅から歩いて3分ほど。屋外ステージもあり、なかなかの規模。南国情緒も全開でした。海水浴シーズンを終え、誰もいない海岸。一人きりの時間を噛みしめるように、穏やかな渚をしばらく見つめてしまいました。