屋根のない開放的な駅もいいけれど、大畠駅は、屋根があるからこそ絵になる駅。ホームに立つ木造の上屋越しに見る瀬戸内海の情景は、まるで額縁に飾られた絵画のよう。近くに迫る海と島、そしてときおりフレームインしてくる船は迫力も十分。列車待ちの間、ずっと眺めていたくなる情景がありました。
大畠駅
おおばたけ
- 旧大畠町の玄関口だった大畠駅。ホームや跨線橋も含めて多くが上屋で覆われており、全体的にしっかりとした造りの印象。風格を感じさせます。
- 上屋越しに見えるのは瀬戸内海。木造の上屋がまるで額縁のようになり、間近に迫る海と空の青、そして背後の島の緑を鮮やかに切り取ります。
- そこに船がフレームイン。近くの柳井港と愛媛県松山市の三津浜港を結ぶ「防予フェリー」です。
- 他にも貨物船など多くの船が通り過ぎていくので、ホームからの景色に見飽きることはありません。
- ホームの端まで歩けば上屋もなくなり、また開放的な景色に。
- 向かいの周防大島(屋代島)は、淡路島、小豆島に次いで瀬戸内海で3番目に大きな島。そこに架かる大島大橋と相まってなかなかの迫力です。この海は「大畠瀬戸」という幅わずか750mほどの海峡で、いわば本州と四国を結ぶ近道。だから船も多いのですね。
- 周防大島から右に目をやると、小さく平たい笠佐島も見えます。大畠駅からは直線距離で約2kmの場所にある有人島ながら、人口はわずか4世帯6人(2024年4月現在)。訪れるには周防大島に渡り、1日3〜4往復の小さな連絡船に乗り継ぐ必要のある、近くて遠い島です。
- さらに右手には静かな港。跨線橋にある窓からも、こうして海を見下ろせます。
- 海側のホームに渡ってきました。ホームと海の間は、鉄道用地と岸壁を挟んで、わずか20mほど。1976(昭和51)年に大島大橋が開通するまでは、大畠駅から国鉄の連絡船も運航されていたのだそう。現在は大畠駅前から 防長バス で渡れます。
- 岸壁にはちらほらと釣り人の姿。渦潮が発生する急流として有名で、タイやメバルの豊かな漁場でもなのだとか。
- かつてはホームに「釣りの町 大畠」という看板もありましたが、いつの間にか撤去されていました。(2007年8月)
- 最後に改札を抜けて駅の外へ。
- 改札越しにもきらめく海。かつてはみどりの窓口もある有人駅で、駅舎内には売店もありましたが、2022年に無人化 されてしまいました。
- 平屋ながらも立派な駅舎。かわいらしい駅名板が特徴的。タクシープールもあり、駅前を通る国道188号の交通量と相まってにぎやかです。
- 大畠駅の山側には急斜面が迫りますが、民家も点在。さぞ眺めがよいことでしょう。
- 駅前にはコンビニやバスロータリーも。奥にちらりと見えるのは大島大橋。連絡船がなくなった今も、周防大島への玄関口であることを感じさせてくれました。