大分駅からたった一駅の西大分駅。ホームに降り立って先端まで歩くと、木枠の窓越しに別府湾が顔を出しました。この木造駅舎が建てられたのは、なんと明治時代だそう。100年以上前からきっと変わらないであろう景色には、趣という言葉で説明するのがもったいないほど、胸に訴えかけてくるものがありました。
西大分駅
にしおおいた
- 大分駅からわずか一駅ながら、のんびりとした雰囲気の西大分駅。行き交う人もまばらでした。
- いくつもの線路が並ぶ構内には、コンテナがずらり。旅客駅であると同時に、貨物を扱う駅でもあるためです。一見、海が見えるとは思えません。
- 広々とした島式ホームには、年季の入った上屋。柱はおそらく古レールを曲げて作ったものでしょう。
- 上下それぞれの列車が去ると、ホームはいっそう静かに。柱とベンチが整然と並びます。
- ホーム上に改札口や券売機がある造り。跨線橋の先、写真右奥には駅舎もあります。
- 跨線橋には登らず、ホームをさらに駅舎寄りに進むと、渋すぎる木造駅舎の窓越しに、別府湾が顔を出しました。ちなみに、西大分駅が開業したのは、1911(明治44年)。駅舎も 開業当時のもの だそう。つまり築100年以上になります。
- 古びた駅名標、木の窓枠、そして海。隣の 東別府駅 も海が見え、古い木造駅舎の残る駅ですが、窓越しの海は西大分駅ならでは。
- 少し視点をずらせば、小船や釣り人の姿も。
- ちなみに、海と反対側には険しい斜面と住宅地が広がります。
- 跨線橋を渡って駅舎へ。西大分駅は、神戸を結ぶフェリー「さんふらわあ」が発着する、西大分港フェリーターミナルの最寄り駅でもあります。
- ただ、駅にエレベーター等はないため、大荷物を持って跨線橋を上り下りするのは大変そう。
- いよいよ、駅舎の中に足を踏み入れると、一瞬でタイムスリップした気分に。
- 壁だけでも絵になります。
- そして振り返れば、正面に海。海岸まではわずか200mほどです。
- プランターの並ぶ入口もまた趣がありました。
- この自転車の数が、開業から100年以上経っても地元の方には欠かせない存在であることを物語っています。
- 駅舎の脇にはコンテナを輸送するトラックも。貨物の拠点としても重要な存在のようです。
- 駅から緩やかに下った先にあるのは、国道10号。静かな駅とは対象的に、車はひっきりなしに行き交います。
- 海沿いに遊歩道やベンチが整備されており、のんびりと過ごすには最高のロケーションです。
- 目と鼻の先にあるフェリーターミナルには、さんふらわあが停泊していました。手前にある赤い門は「マッテルモン」というオブジェだそう。
- 夕暮れ時。海から西大分駅へと向かうと、ちょうど突き当たりには鎮座する木造駅舎。いつまでもこの姿が残ってくれることを願ってやみません。