水尻駅 みずしり JR呉線 広島県安芸郡坂町(Open in Google Maps) 山に沿ってひっそりと弧を描くホームから跨線橋へ。視界には、快晴の下で鮮やかな青を放つ瀬戸内海と、眩しく光る海水浴場の砂浜。そして夕暮れ時には、波の立たない海に浮かぶ島々のシルエット。広島の街のすぐそばで、夏のにぎわいと静けさに出会えました。 訪問:2023年5月(一部2006年8月) / 更新:2023年8月13日 広島駅から呉線の普通列車で20分。車窓の右手に海が広がると間もなく、水尻駅に到着。並行する国道31号の向こうに、瀬戸内海が広がります。遠くには、金輪島にある造船所や、広島港に架かる宇品大橋。正面の対岸には五日市方面の街並み。水尻駅の開業は1999(平成11)年。その目的は、列車の行き違いが行える場所を設けて、単線である呉線の輸送力を上げること(参考)。それゆえ、駅としては最小限。ホームもかなり狭めです。立地そのものも街から離れており、海の反対側はすぐに山。小さな谷間に、数えるほどの住宅と広島呉道路の橋脚が並ぶのみ。しかし、ホームの先端にある跨線橋に登れば、一気に華々しい景色に。瀬戸内海とそこに浮かぶ江田島や似島、そして海水浴場「ベイサイドビーチ坂」の砂浜が目に眩しく映ります。2006(平成18)年に訪問した際には、駅前のエリアは完成していませんでした。(2006年8月)跨線橋には屋根がなく開放的。砂浜を見下ろす、ちょっとした展望台です。跨線橋を渡り終えると、すぐに駅の出口。駅舎も待合室もなく、とてもシンプル。もちろん無人駅です。駅前の横断歩道で国道を渡り、目の前の「ベイサイドビーチ坂」へ。2023年には モンベルの店舗 やレストランも開業し、一気におしゃれなスポットになりました。瀬戸内海だけあって海はとても穏やか。海水も澄んでおり、渚を歩くだけでも十分癒やされます。訪れたのは初夏の5月ですが、子どもたちが砂浜ではしゃぐ声が響いていました。沖合には広島港と瀬戸内海の島々を結ぶ航路が多数。船が頻繁に横切るので、見ていて飽きることはありません。右に目を移せば、すぐ目の前に島…と思いきや、こちらは陸続きの横浜地区。夕暮れに合わせて水尻駅を再訪。海に向かって北西向きのため、夏期はほぼ正面に太陽が沈みます。昼間の眩しさとはまるで違う、うっとりするようなマジックアワー。跨線橋から望む、雲ひとつない夕焼け空と、濃淡さまざまに折り重なる島たちのシルエットが印象的でした。