青を湛える日本海と、緑に輝く田んぼ、そして夏の空。美浜駅で迎えてくれたのは、初めて訪れるはずなのに、どこか懐かしく思える風景でした。ときおり横切る車や船は、そんな景色のアクセント。跨線橋の窓で切り取れば、まるで抽象画のようです。
美浜駅
みはま
- 北陸新幹線の終着・敦賀駅から小浜線で約20分。8月の快晴のもと、美浜駅のホームに降り立つと、駅の裏手には山々と田んぼ、そしてその向こうに日本海が見えました。
- 海岸までは900m。辺りを山に囲まれながら、駅の周辺だけ、海までひたすらに平地が続きます。桜の木がぽつぽつ植えられており、春には桜と海が同時に見られそうです。
- 田んぼの間には「若狭梅街道」が通っており、横切る車や自転車は景色のアクセントに。
- そこに、敦賀行きの列車もやってきました。数人の乗客を乗せて発車。美浜町の玄関口となる駅だけあって、列車の到着に合わせて人がちらほらと行き交います。
- 列車が去ると、駅は静かに。夏の日本海は穏やかでした。微妙な高低差ゆえに駅からは見えませんが、海岸には松原海水浴場の砂浜が続いており、近くには民宿やホテルも点在します。
- 西の方角には、ちょっとした奇岩も見えました。
- ホームには立派な屋根。夏日でしたが、大きな屋根の下から景色を見られたのはありがたい限りでした。奥の階段から、跨線橋を渡ってみます。
- 跨線橋には窓がいくつもあり、正面の窓からは海もちらり。
- 窓の額縁に切り取られた景色は、そのまま絵にできそうな構図。
- 海側のホームに渡ってきました。奥に小さな花壇が広がっていますが、手前に柵があるので近づくことはできません。
- 暑さが厳しくなってきたので、駅舎の中へ。昼間は有人で、窓口で切符も売られています。
- 駅舎からも正面には海。
- 駅舎の中には空調が完備された広い待合室も。美浜町の写真の垂れ幕がおしゃれです。
- そんな待合室からも、海を眺めながら列車を待つことができます。
- 駅前にはバスとタクシーの乗り場を備えた立派なロータリー。そこにある「MIHAMA」のモニュメントは、裏から見ると「AMAHIM」。「AMA」はスペイン語で「愛する」、「HIM」はドイツ語で「我が家」。合わせて「愛する我が家」ということで、きちんと意味があるそうです。
- 美浜駅の駅舎と、併設された2階建ての観光センター。駅舎は国鉄自体からの建物のようですが、リニューアルされた内装と外観、ロータリーに巡らされたガラス張りの上屋のおかげで、古さを感じさせません。
- 駅前から、美浜駅越しの水平線。それにしても、有人駅の割には人通りはかなり少ない印象でした。
- 一方、賑わいを見せていたのが、駅前にある「道の駅 若狭美浜はまびより」。建物の中にはカフェやレストラン、直売所などがあり、車で訪れたであろう人たちで混雑していました。
- 真新しい道の駅の向かい側には、昔からの建物。商店街などはなさそうでした。奥に見える立派なビルは、関西電力の原子力事業本部です。
- 道の駅の屋上にはデッキもあり、駅前から海までを一望できます。海の見える駅にはよくある、線路を挟んで、海側と山側で一変する景色。こうして見下ろすことはなかなかないので、新鮮でした。
- 田んぼの中の一本道を抜けて海まで歩いたら、きっと気持ちがいいことでしょう。そろそろ列車の時間なので、それはまたの機会に。