目白山下駅 めじろやました 湘南モノレール 神奈川県藤沢市(Open in Google Maps) 三方を山に囲まれていることで有名な、古都・鎌倉。目白山下駅は、その山の中を縫うように走る湘南モノレールの駅です。高台の静かなホームから見下ろすのは相模湾の水平線。観光地・江の島の近くにありながら、周囲を森と住宅に囲まれ、ほとんど人に出会わないホームは、まるで「山の隠れ家」といった様相でした。 訪問:2022年1月(一部2006年10月) / 更新:2024年6月23日 2kmほど離れた海の見える駅、鎌倉高校前駅 から、坂道を登ること約30分。住宅街の道路にいきなり、太い柱とモノレールの軌道が出現しました。まもなくして、列車が頭上を通過。「ジェットコースター」とも称される湘南モノレール。なかなかスリリングです。そのまま線路沿いに少し歩けば、湘南モノレールの目白山下駅。エレベーターやエスカレーターはなく、階段が1箇所のみ。無人駅のため、踊り場に券売機やICカードの改札機があるのみで、窓口はありません。ホームに上がると、山と木々の間からひょっこり相模湾の水平線。起伏に富んだ地形なのがわかります。それにしても頭上の「桁」の存在感がすごい。周囲は閑静な住宅街と森。お店はほとんどありません。海岸まで700mほど離れていますが、標高約30mの高台にあるおかげで海まで抜けています。相模湾の手前に見えるのは、江ノ電・腰越駅付近の住宅街。江の島はちょうど山の陰に隠れて見えません。でも、空を鳥がゆったりと舞い、ヨットが浮かぶ海の景色は穏やかそのもの。なお、隣の終点・湘南江の島駅 も海の見える駅ですが、景色はだいぶ異なります。海と反対側は目の前に森。しかもすぐ奥にはトンネル。目白山下駅はモノレールの駅でありながら、一部が山の斜面に食い込む珍しい造りをしているのです。そのトンネルから、轟音とともに列車が到着。すると間髪入れずに反対の列車も到着。ただ私が駅にいる間、列車から降りる人はほぼおらず、いてもせいぜい1人。湘南モノレールでも 最も乗降客の少ない駅 だそう。誰もいない静寂の中、7〜8分おきにモノレールの威圧感ある轟音に包まれる感覚はなかなか異様です。ホームの外に見えた森は「片瀬山公園」という公園になっているので、行ってみることに。駅のすぐ脇にある坂道を登ると…目白山下駅のホームと海が同時に見えました。モノレールを真横から眺められる珍しい場所です。片瀬山公園のある山はかつて「竜口山」とも呼ばれ、昭和初期には「竜口園」という遊園地もあったそうですが、面影はありません。なお、駅名にもある「目白山」はこのすぐ北側にある山 のようです。天気のよい休日の昼間ながら、片瀬山公園でも誰にも会うことはありませんでした。ただ、以前訪れた際にはリスに遭遇。(2006年10月)それなりに坂を登ったため眺望に期待したものの、木の間からわずかに海が見える程度。展望台もありませんでした。ただ、目白山下駅を真上から見下ろすポイントを発見。改めてすごい場所に鉄道を通したものだと、驚きを噛み締めました。