松山駅から普通列車で西へ約1時間。かの有名な 下灘駅 を通り過ぎた先に、喜多灘駅があります。4月、ひっそりとしたホームには桜のトンネル。そして眼下の静謐な瀬戸内海。淡いピンクと水色の幻想的な光景が広がりました。また桜の時期に限らず、高台のホームや近くの海岸から眺める夕焼けも格別。駅舎もない小さな無人駅ですが、魅力には尽きません。
喜多灘駅
きたなだ
- 喜多灘駅を最初に訪れたのは、2013年の3月末。まさに日没を迎えようというときでした。(2013年3月)
- 高台のホームから見下ろすのは、一面に広がる瀬戸内海。雲一つない空のグラデーションと相まって幻想的でした。(2013年3月)
- ホームの脇には、夕日に照らされた菜の花も。(2013年3月)
- 今にも太陽が沈みそうだったので、急いで海岸へと向かいました。海沿いを通る国道378号の通称は、その名も「夕焼けこやけライン」。(2013年3月)
- そして、この日は見事な「だるま夕日」。冬にしか見られない蜃気楼の一種ですが、3月にも期せずして見ることができました。(2013年3月)
- そのまま海に溶けるように沈んでいきました。(2013年3月)
- 日没後のマジックアワーは再び喜多灘駅で。瀬戸内海の島々が途切れなく折り重なる様子に、思わずうっとり。(2013年3月)
- すっかり海に見とれていましたが、ホームに沿って桜が何本も植えられていました。ちょうど咲き始めの頃で、満開には遠い様子。(2013年3月)
- 桜と宵の口の海。この蕾たちが花開いた姿を見に、再び訪れることを誓いました。(2013年3月)
- 最初の訪問から11年後の2024年4月。早朝、始発列車から誰もいないホームに降り立つと、線路の両脇でピンク色の桜の木々が迎えてくれました。(2024年4月)
- 満開は少し過ぎていましたが、そのぶん足元には桜の絨毯が広がります。ちなみに、このホーム上に伊予市と大洲市の境界があり、その位置を示す線も引かれています(写真手前)。(2024年4月)
- 念願の、花開いた桜と海の共演。蔦の絡まった桜の木は少し野性的でしたが、海を見ながら花見もできることには変わりません。(2024年4月)
- いくつもの枝がホームの頭上に飛び出し、そこはちょっとした桜のトンネル。そのすぐ隣を、列車がかすめていきました。(2024年4月)
- 海と反対側には、険しい山々。朝日に照らされる山桜と新緑もまた素敵でした。小さな集落もありますが、鳥のさえずりが聞こえるばかりで、非常に静か。(2024年4月)
- ホームの端には小さな上屋とベンチがありますが、座りながらのお花見はちょっと難しそうです。(2024年4月)
- 今回も急な階段を降りて、駅の外へ。(2024年4月)
- この日の瀬戸内海は、ほとんど波が立っておらず、まるで鏡のようでした。(2024年4月)
- 喜多灘駅に駅舎はありませんが、階段の目の前には華やかな絵柄の公衆トイレが堂々と立っています。駅前にはそのほか、ただ民家が並ぶのみ。商店もありません。(2024年4月)
- 駅前の道にも立派な桜並木。線路沿いの斜面に植えられているようです。(2024年4月)
- すぐ隣を通る国道に目をやると、広い空の下、颯爽と駆け抜けるサイクリストの姿。さぞ気持ちいいことでしょう。(2024年4月)
- 海に、だるま夕日に、桜と、いくつもの美しい景色に出会えた喜多灘駅。後ろ髪を引かれながら、再訪を誓って列車に乗り込みました。(2024年4月)