北浜駅 きたはま JR釧網本線 北海道網走市(Open in Google Maps) オホーツク海に面する北浜駅は、日本でも非常に珍しい「流氷の見える駅」。はるか遠くに連なる知床連山と、運良く出会えた流氷とのコラボレーションはまさに圧巻でした。無人駅ながらレストランを併設したレトロな駅舎や、そこに残された旅人たちの無数の名刺も旅情を引き立てます。また夏には一変、草原の緑と海の青が視界いっぱいに広がる爽やかな景色が間近に。冬にも夏にも訪れたい、唯一無二の「海の見える駅」です。 訪問:2013年3月、2024年6月 / 更新:2024年7月21日 網走駅から1両編成のディーゼルカーに揺られること17分。意外にも街からすぐに北浜駅に到着。3月初旬、降りたら目の前には一面の流氷が迎えてくれました。(2013年3月)見送る列車の先には、知床連山。弧を描く岸壁には、折り重なる流氷。この日の最高気温は氷点下3℃と痛いくらいの寒さでしたが、それもつい忘れる絶景です。(2013年3月)線路の向こうは海岸のはずですが、接岸する流氷がまるで雪原のように続いていました。(2013年3月)辺りは一面、青と白の世界。網走の流氷は1月下旬〜4月上旬頃に見られますが、ホームで雪掻きをしていた作業員の方曰く、「初めて来て流氷を見られるのは運がいい」のだそう。なお、流氷の接岸状況は 第一管区海上保安本部海氷情報センター のWebサイトで確認できます。(2013年3月)さらに運良く、キツネにも出会えました。背景に見えるのは網走の市街地。(2013年3月)北浜駅は待合室も壮観でした。中に入ると、壁飲みならず天井まで誰かの名刺や切符でびっしり。「非誠勿擾(フェイチェンウーラオ)」という中国映画のロケ地にもなったこともあり、中国語の紙も見えました。写真左の扉は、併設された レストラン「喫茶 停車場」の入口。温かい料理が恋しい限りでしたが、時間の都合でまたの機会に。(2013年3月)板張りの木造駅舎はレトロそのもの。赤い丸ポストがまたいい味を出しています。(2013年3月)ホーローの駅名板越しに見る、オホーツク海と流氷。旅情の塊のような景色。(2013年3月)駅舎の隣には展望台が併設されています。1日6往復の列車しか停まらない北浜駅。車で見学やレストランに訪れる人のほうが多いようです。(2013年3月)展望台に登ると、また圧巻の景色。雪を冠した知床連山の大パノラマに…(2013年3月)絨毯のように広がる一面の流氷。遠くには水平線ならぬ「氷平線」が続いていました。そのはるか先に、流氷の故郷であるロシアのシベリア沖、サハリン沖があります。(2013年3月)二つと同じ形のない流氷に、思わず見入ってしまいます。(2013年3月)駅前を通る国道244号を200mほど東へと進み、セイコーマートの手前を左に折れると、海を背景にぽつりと佇む「北浜構内踏切」があります。(2013年3月)踏切を渡ると、そこはもう海岸。流氷によって海との境目がカムフラージュされていました。駅の作業員の方も「流氷には絶対に乗るなよ。この間も落ちた人がいるから」と言っていましたが、海岸に近づくだけでも危険そう。(2013年3月)振り向けば、線路の先に斜里岳。短い時間でしたが、ここでしか味わえない北海道の海と山の景色を浴びるように堪能できました。(2013年3月)2024年の夏に再訪。流氷の白い世界からは一変。足元からの青い海が迎えてくれました。(2024年6月)展望台から見下ろすと、冬には見えなかった緑の草原と白い砂浜。それに空と海の青が相まって、突き抜けるように爽やかな景色でした。(2024年6月)架線も柵も防風林も人家もない、この開放感。駅のそばで、しかもこの視点で見られる場所は他になかなかありません。(2024年6月)夏にも知床連山の稜線は健在。わずかに雪も残っているようでしたが、やはり冬とはだいぶ印象が異なります。(2024年6月)レトロな駅舎は夏の青空にもばっちりお似合い。(2024年6月)名刺でいっぱいの壁面も相変わらず。左の台の上には駅ノートも置かれていました。(2024年6月)再訪の一番のお目当ては、前回行けなかったレストラン「喫茶 停車場」。臨時休業もあるため、事前に お店のX で確認すると安心です。店内にはホームと海を望むボックスシート風の席も。訪れたのは休日のちょうど正午頃でしたが、この直後に続々と車がやってきて、ほぼ満席になりました。(2024年6月)ホタテカレーを注文したら、ホタテのお皿で登場。オホーツク海にときおり目をやりながら頂くカレーは格別でした。(2024年6月)食事をしてもなお、次の列車は3時間後。列車で訪れる人こそ少ないホームですが、車で訪れた人々が思い思いに写真を撮っていました。(2024年6月)絶景を映すバックミラー。(2024年6月)ホームには前回訪問時にはなかった「オホーツク海に一番近い北浜駅」の看板も。1980年代のアドベンチャーゲーム「オホーツクに消ゆ」の舞台にもなったそう。(2024年6月)11年ぶりの再訪でしたが、意外にも変わっていたのはこの看板くらい。観光地として大仰に整備されることもなく、適度なレトロ感・ポツンと感を残していました。(2024年6月)「北浜構内踏切」にも再訪。雪がない分、海がより近く見えました。(2024年6月)緑に囲まれた線路の先に見える北浜駅。夏のオホーツク海は、冬とはまるで違った景色を見せてくれました。(2024年6月)