木戸駅 きど JR常磐線 福島県双葉郡楢葉町(Open in Google Maps) なだらかな平地の先に見える穏やかな太平洋。町の中心部にある隣の 竜田駅 とはうって変わって、辺りはしんと静まり返っていました。しかし、木戸駅の歴史は竜田駅よりも長く、開業は120年前の1898(明治31)年。大震災を乗り越えたこの駅が、これからもあり続けることを願ってやみません。 上野駅から特急「ひたち」と普通列車で約3時間。昼間の本数は1〜3時間に1本。無人駅。 *記載の情報・写真は一部訪問当時のものです。 訪問:2017年4月 / 更新:2022年2月27日 どこまでもまっすぐで広々としたホーム。東の方角に太平洋の水平線が見えます。海岸までは1kmほど。震災では駅のすぐそばまで浸水しました(参考)。海側のホームには桜並木があります。訪れたのは4月下旬、赤いしべが散り始めていました。と同時に、駅のすぐ隣で真新しい鯉のぼりが健気に泳ぐのを見て、安堵しました。海側のホームにはお城のオブジェが不自然に置かれています。これは1967(昭和42)年に「当時の木戸駅長が木戸のお城をイメージして建立されたもの」だそう。築50年ながら震災後にリニューアルされ、今でも現役です。「木戸のお城」とは、おそらく今はなき「楢葉城」と思われます。跨線橋から北の竜田駅、仙台方面を望む。なだらかな山並みが美しいです。跨線橋を抜けてきました。駅舎の中はきれいで、手作りのかわいい座布団が置かれていました。きっと誰かが手入れをしているのでしょう。駅前に人の気配、車の動きはほとんどありませんでした。商店らしき建物が一件ありましたが、訪問時はシャッターが降りていました。そのほか住宅と畑が、丘にかけて点在しています。駅舎は震災前からのもの。隣の竜田駅とそっくりです。誰かを待つように静かに佇んでいました。木戸駅は訪問時、ナショナルトレーニングセンター「Jヴィレッジ」の最寄り駅でした(2019年4月に隣接のJヴィレッジ駅が開業)。木戸駅からは1.5kmあり、徒歩約20分。また、Jヴィレッジの手前には「道の駅ならは」があります。駅のそばから改めて海のほうを向くと、海岸近くにある廃棄物処分場が目に入りました。木戸駅の海側にはこのような処分場が特に集まっており、ところどころ巨大なテントも建ち始めていました(参考・PDF)。今後、海の見えるこの風景は大きく変わっていくのかもしれません。