鎌倉高校前駅 かまくらこうこうまえ 江ノ島電鉄 神奈川県鎌倉市(Open in Google Maps) 趣ある江ノ電に揺られ、しばらく民家の合間を縫うように走ると、車窓には一転、視界いっぱいの相模湾が広がります。そのまま鎌倉高校前駅のレトロなホームに降り立てば、名勝・江の島が目の前に。駅前にあるのは海を見下ろす踏切。さらに海岸からは、七里ヶ浜の砂浜と富士山。観光客こそ絶えませんが、それも納得できるほど絵になる景色にあふれる駅でした。 訪問:2022年1月(一部:2009年1月) / 更新:2024年6月16日 2022年1月の休日、藤沢駅からずんぐりとした小さな車両に揺られて17分。20人ほどの乗客とともに鎌倉高校前駅のホームに降り立つと、相模湾と江の島が目に飛び込みました。江の島のヨットハーバーと、凪の海に浮かぶヨットがすぐそばに。江の島の奥に見える影は伊豆半島です。海と駅の間には国道134号が通るのみで、視界を遮る建物は全くありません。この日は空気が澄んでいたこともあり、正面には遠く60kmほど離れた伊豆大島まで見えました。そこに列車が到着。ここは江ノ電の車窓でも一番のハイライト。多くのお客さんも海を眺めていました。列車は上下合わせて1時間に10本ほどが行き交い、そのたびに多くの観光客が降り立ちます。国道134号も絶えず車が通り、渋滞することもしばしば。海の見える駅としては国内でも指折りの賑わいぶりですが、このレトロな雰囲気のホームと海の情景によって、趣は十分です。江の島と反対の東側には、三浦半島がくっきりと。特等席であるホームのベンチに腰掛ければ、相模湾の大パノラマを楽しめます。ちなみに、木造の上屋は 塩害を考慮したもの だそう。海の見える改札口を抜けて、駅の外へ。ちなみに、ICカードの改札機に被せられたビニールも塩害対策 だそう。レトロな駅名板が残る、駅の入口。無人駅であり、有人の改札口はもちろん、待合室もありません。駅のすぐ背後の斜面には墓地が広がっており、駅の中にはひっそりとその入口もあります。なお、周辺は主に病院や高級住宅街が広がっており、商店などはほとんどありません。そして駅前にあるのが、「鎌倉高校前1号踏切」。アニメ「SLAM DUNK」のオープニングのモデルになったといわれる有名な踏切で、この日も若い人が多く訪れていました。坂の向こうにきらめく海と、踏切をゆく江ノ電のコラボ。絵にならないはずがありません(坂道の歩道より望遠で撮影)。ちなみに、ホームの柱の駅名標にもうっすらとバスケットボールのシュートシーンが描かれています。こちらは同じ1月でも午前中の写真。訪れる季節や時間帯によって、異なる海の表情が見られます。(2009年1月)線路を渡って駅の前へ。歩道のすぐそばに線路が迫ります。屋根の上にある「江ノ電鎌倉高校前」の看板が象徴的です。すぐ近くの横断歩道を渡れば、海岸にも出られます。なお、こちらの交差点の名称は「鎌倉高校駅前」。国道を越えると、足元には駅から見えなかった七里ヶ浜の砂浜。さらに江ノ電の線路の先に、冠雪した富士山が顔を出しました。海岸にはカップルや親子連れ、そしてたくさんのサーファーの姿。ただ、この日の波は穏やかで少々物足りなさそうに見えました。青空に映える真っ白な富士山は圧巻です。東の逗子・葉山方面にかけての海岸線もなかなかダイナミック。近くの 目白山下駅 を訪れた後(訪問記はこちら)、夕刻に再び鎌倉高校前駅そばの七里ヶ浜へ。昼とはうってかわって、鮮やかでありながら柔らかい夕焼け空と、くっきりと浮かぶ江の島と富士山のシルエットが迎えてくれました。帰路につく頃には、「江の島シーキャンドル」のイルミネーションも点灯。最後までこれでもかとフォトジェニックな景色にあふれる駅でした。