市振駅 いちぶり えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン(旧JR北陸本線) 新潟県糸魚川市(Open in Google Maps) 市振駅は、新潟県で最も西に位置する駅です。すぐ隣には日本海が迫り、開放感は抜群。それと同時に、駅の大半にかかる立派な風防が風雪の強さを窺わせます。1908(明治41)年竣工の木造駅舎が今も現役で使われており、いささか荒涼としたホームとは対象的に、温もりを感じました。 *写真はすべて旧JR北陸本線時代に撮影されたものです。市振駅は、2015年にえちごトキめき鉄道・あいの風とやま鉄道へ移管されました。 訪問:2012年8月 / 更新:2019年2月24日 高さ4〜5mほどはあろう風防が特徴的な、市振駅のホーム。隣はもう日本海です。風防が途切れると、水平線が顔を出します。景色にマッチした青と白の電車は、旧JR北陸本線のもの。2015年3月の北陸新幹線の開業に伴い、市振駅を含む糸魚川駅〜金沢駅間は第3セクターに移管され、市振駅にやってくる列車も1両編成のディーゼル車へと代わりました。淡い西日を浴びて、列車は静かに去っていきました。駅の東側ある市振漁港と、市振の集落。東の直江津方面を望む。市振駅の先から隣の 親不知駅 まではしばらくトンネルが続きます。ちなみに、この先の海沿いには断崖が続き、かつては北陸道最大の難所「親不知・子不知」でもありました。ホームの先端から、西の糸魚川方面を望む。こちらはしばらく海沿いを走ります。市振駅には跨線橋がない代わりに、構内踏切があります。1908(明治41)年に竣工した木造の駅舎の中からは、踏切と海まで見通せます。駅の外に出ました。看板がありませんでしたが、駅としての風格がありました。築100年を超えるようには見えませんが、それだけ大切に使われてきたということでしょう。駅前には商店が1件のみ。住宅もちらほらと点在する程度です。駅前を通るのは北陸の大動脈である、国道8号線。車通りはほとんどありませんでした。「日本海夕日ライン」は新潟県の海沿いを走る道路の愛称です(参考)。市振駅から東に300mほど歩くと、国道8号線から分かれる旧北陸道があります。この先は、宿場町だった市振の集落へと続きます。市振宿は歴史ある宿場町で、かつては関所も設けられたほか、松尾芭蕉も泊まったのだそう(参考)。