本石倉駅 ほんいしくら JR函館本線 北海道茅部郡森町(Open in Google Maps) *本石倉駅は 2022年3月12日に廃止 されました。記載の情報・写真は訪問当時のものです。 ちょっとだけ高台にある、本石倉駅の小さなホーム。まるで少し背伸びをしたような目線で、家々の向こうに青い海が現れます。すぐそばには、国道を通り抜ける車と、近くの漁港を行き交う船の気配。人の暮らしの傍らにありながら、駅には終始、私ひとりでした。 訪問:2018年4月 / 更新:2022年3月12日 4月下旬。次の列車まで間が空いてしまったので、特急列車の停まる八雲駅から函館バスで本石倉駅へ。本石倉バス停 で降り立ちました。国道5号を挟んで見えたのが、小さなホームのせり出た本石倉駅。駅名板もなければ、駅前の交差点名も「石倉町」になっており、ここが駅だとはひと目ではわかりません。もともと信号場や仮乗降場としての歴史が長く、正式な駅となったのは1987(昭和62)年なのだそう(参考)。早速ホームに上がると、青々とした噴火湾(内浦湾)がお出迎え。隣はどちらも海の見える駅の 石倉駅 と 石谷駅 です。本石倉駅には、屋根のないホームが2つ。駅舎はなく、待合室が山側のホームにのみ鎮座します。山側にも住宅が2件ほど点在。そして、駅前には三角屋根の 石倉郵便局 がありました。ホームを降りて、海岸へと向かいます。海岸までは直線距離で80mほど。間に国道と集落があり、もの寂しさはありません。ただ、商店などは見当たりませんでした。国道から海へと続く坂道を下ります。少し歩くと、石倉漁港が見えました。背後にはうっすらと北海道駒ヶ岳(標高1,131m)。海鳥たちがのびのびと飛び回っていました。と思えば、漁船が出港。なかなかにぎやかです。本石倉駅に戻り、今度は山側のホームへ。目印はこの郵便局の看板です。線路をくぐって坂を登ると、目の前に石倉郵便局が現れます。まさに海の見える郵便局。この左手が本石倉駅のホームです。そのままホームへと入り、待合室の中をのぞいてみます。待合室は木造で、かなり年季の入ったもの。「駅ノート」も置かれていました。待合室は窓面が多く、海もよく見えます。こんどは港へと戻る船。電線が被りますが、やはり海は見ていて飽きません。駅のそばに人の暮らしがある一方、駅の中に人の姿を見ることはありませんでした。隣の石谷駅と並んで、1日の乗車人員は「平均3人以下」(参考・PDF)。残念なことに、2022年春の廃止が決定しました。約2時間半ぶりに、長万部行きの普通列車が静かに到着。白と緑と青の車体が、春の青空によく馴染んでいました。