地元の人を乗せ、街へと向かう1両編成のディーゼルカーが出発。静けさに包まれた跨線橋からは、黄緑の絨毯と、八代海に浮かぶ天草諸島のやわらかな稜線を望みます。ホームからは海の見えない肥後二見駅。跨線橋に登ったからこそ出会える風景がありました。
肥後二見駅
ひごふたみ
- 八代駅から1両編成のディーゼル車に揺られて16分。車窓の右手に一面の八代湾が迫ると間もなくして、肥後二見駅に到着。屋根のない2つのまっすぐなホームが伸びる無人駅です。
- 肥後二見駅の海側には田んぼが広がり、その先に堤防があるため、ホームからは海を直接見ることはできません。
- しかし、跨線橋に登れば田んぼと海の大パノラマ。夏の終わりに訪れたこともあり、田んぼは鮮やかな緑から黄色に移り変わろうとしていました。
- 向かいに見えるなだらかな稜線は、天草の上島。
- 視線を少し北に移せば、大築島(おおつくしま)と小築島(こつくしま)など、いくつもの小島。すべて無人島です。
- さらに北には、八代の市街地を遠望。球磨川の河口も見えました。
- 海と反対側には、すぐ山が迫ります。
- 海側のホームへ。上り・下りとも基本的には山側のホームが使われるため、こちらに列車が停まるのは一日に数えるほどだけ。
- 田んぼしか見えない景色も壮観。ただ虫の声と鳥のさえずり、そして田んぼで農薬を撒くコンプレッサーの音が響きます。
- しばらくして、八代行きの列車が到着。
- 地元の方を2人乗せて、駅を静かに発っていきました。空の広さを感じます。
- 再び山側のホームに降りると、引き込み線を発見。国鉄時代に作られ、2004(平成16)年の九州新幹線開業までJR鹿児島本線の駅だっただけあり、立派な造りです。
- 駅舎は待合室だけを備えた小さなもの。コンクリート製ですが、丸い窓と少し角の取れたフォルム、赤い帯が可愛らしいです(訪問後にオレンジ色の帯に塗り替えられています)。
- 帰り際に視線を感じたと思ったら、足元には仔猫様。列車が来るまで日陰でお戯れタイムです。