八森駅 はちもり JR五能線 秋田県山本郡八峰町(Open in Google Maps) 五能線を秋田県側から北上すると、ここ八森駅で初めて海に出会います。弧を描く高台のホームの先に望むのは、幾重にも重なる白神山地のゆるやかな稜線。そのたもとに広がるのは、小さな港町と広大な日本海です。線路はこの先、険しい海岸線に沿ってひたすら青森へと続きます。 訪問:2016年3月 / 更新:2017年12月17日 始発列車で、前泊したレジャー施設の ウェスパ椿山 を発ち、八森駅へ。学生で賑わう3両編成の列車を見送ります。八森駅は五能線の中でも珍しく、高台にある駅。青森県の深浦町からずっと海沿いを走っていた五能線も、八森駅を過ぎると、いよいよ内陸に入ります。北を向けば、雄大な白神山地が連なります。八森駅からはかつて、近くの 発盛鉱山の精錬所を結ぶ専用線が伸びており、金属輸送に一役買っていたそう。当時の名残で、今でもホームの跡があります。高台の下、北東には八森漁港も見えます。ここはもう隣駅の滝ノ間駅の周辺です。待合室からも、眺めはばっちり。海岸からは300m以上離れています。荒れたイメージのある初春の日本海も、こうして距離を置くと穏やかに見えます。正面に見えるのは駅舎ではなく、おそらく鉄道施設。立ち入りはできません。八森駅の駅舎は、高台の下にあります。麓の駅舎への通り道が、この年季の入った、木造の屋根がついた回廊。一歩足を踏み入れた途端、タイムスリップします。回廊を降りた先に待っていたのは、「ここの“ばっけ”をとらないで下さい」という貼り紙。「ばっけ」とは、方言でふきのとうのこと。時期はちょうど3月、回廊の外の斜面には美味しそうなふきのとうが無数に芽吹いていました。八森駅は無人駅ではありますが、駅舎は商工会の建物も兼ねており、立派な2階建て。ほとんどが秋田杉で建てられたそう です。駅舎の中には、地元の名産品も陳列されていました。次の列車まで2時間ほど空いてしまったので、歩いて隣の、同じく海の見える 滝ノ間駅 へと向かうことにしました。