広大な浜名湖の南に浮かぶ弁天島。そこにある弁天島駅から見えるのはもちろん浜名湖だけ、かと思いきや遠州灘の水平線まで見えました。温泉街越しに顔を覗かせる今切口は、ちょうど浜名湖と海との接続部。汽水湖らしい景色がホームから垣間見えます。
弁天島駅
べんてんじま
- 浜松駅から普通列車でおよそ10分、浜松市の西の端にある弁天島駅。10人ほどの乗客とともに降り立つと、あまりに幅広い島式のホームに驚きます。隣を通るのは東海道新幹線です。
- まずホームから見えたのは、海ではなく浜名湖。ただ、言わずと知れた汽水湖で 約1.2mの干満差がある そう。
- 湖には釣りを楽しむ人々の姿。駅前には国道301号が通り、宿やコンビニもあるなど、比較的にぎやかな観光地の風情です。
- 国道沿いにはいくつもの宿などが立ち並びますが、その隙間からも浜名湖がちらり。シンボリックな赤い鳥居は神社のものではなく、1973(昭和48)年に建てられた「弁天島観光シンボルタワー」だそう。
- そして少し角度を変えると…
- 浜名湖が海とつながる今切口と、その先に広がる太平洋は遠州灘の水平線が見えました。つまり、弁天島駅は海と湖が同時に見える非常に珍しい駅なのです(他には北海道の 原生花園駅 があります)。
- 湖を見るべく、駅を出てみます。あまりにホームが広いので、改札口や窓口、改札外の待合室など、駅舎の機能のほとんどがホーム上にあります。
- 臨時改札と思しき設備もありますが、いつ使われるのかはわかりません。
- 階段には観光地らしい「ようこそ」の文字。「弁天島温泉」という温泉地でもあるようですが、温泉を引く宿は2軒のみ だそう。
- 駅の外観は意外にさっぱり。宝くじ売り場のような、小さな観光案内所がありました。
- 訪れたのは7月中旬。夏空にオレンジ色の車体が映えます。
- 地図を見るとその名の通り、駅が浜名湖に浮かぶ「島」にあることがよくわかります。ゼロから埋め立てたようにも見えますが、15世紀頃には島の元になる砂州が存在していた ようです。
- 駅前の地下道で国道をくぐった後、1分ほどで弁天島海浜公園に到着。弁天島海水浴場もあります。この日はちょうど海開きイベントがあって大盛況。なお、ここはまだ浜名湖の中です。
- この日は赤鳥居が立つ「いかり瀬」の干潟に船で渡ることもでき、多くの観光客が磯遊びを楽しんでいました。
- 湖岸は駅のホームより目線が下がるため、海は堤防に隠れて見えません。
- 最後に、海浜公園とは反対の北側にある島へ。こちらは島いっぱいに住宅が立ち並び、生活感にあふれる風情。ただ、岸に小さな船が並ぶ様子はやはり湖や海が近い場所ならでは。
- 線路の向こうはもう温泉街と海浜公園。そんな非日常と日常の対比が面白い駅でした。