穴内駅 あなない ごめん・はなり線 高知県安芸市(Open in Google Maps) ホーム越しにちょこんと顔を出す、瓦屋根の家々や畑のビニールハウス。その向こうには、島ひとつない太平洋の水平線。海岸線を境に人々の営みがぴたりと切れる、潔い景色が穴内駅にはありました。 訪問:2017年1月 / 更新:2023年1月28日 安芸市の市街地からバスで海沿いを走り、穴内駅最寄りの「穴内」バス停で下車。国道55号沿いに集落があり、JAと郵便局、電気店が見えました。国道から内陸に細い道を入ってすぐ、穴内駅が見えました。駅舎のない無人駅で、写真右の建物はトイレです。その右で迎えてくれたのは、穴内駅のキャラクター「あなない ナスビさん」。駅に入ると、シンプルにホームへと登る階段が2つ。山側のホームへ行ってみます。高架橋の高さはあまりないものの、眺めはなかなか。高さの揃った瓦屋根越しに、太平洋の水平線が見えました。大きな屋根や架線もないため、空も広く感じられます。駅名標にもナスビさん。ごめん・なはり線の各駅には、高知県出身のやなせたかしさん作のキャラクターがいますが、この子は安芸市でハウス栽培の盛んなナスをモチーフにされたのだそう(参考)。確かに駅の周囲もビニールハウスだらけでした。西に1.3kmほど離れた「安芸グループふぁーむ」では焼き茄子のアイスが食べられるそうです。ホームをもう少し見てみます。丸太がふんだんに使われたホーム端の待合スペースは、屋根と壁が一体になったモダンな造り。待合室の中からも海が見えます。少しだけ南国情緒も。駅の西側はトンネル。ごめん・なはり線は2002(平成14)年の開業と比較的新しく、長いトンネルで海岸線をショートカットする区間も多くあります。翻って山のほうを向くと、竹の生い茂る急な斜面。いかにも眺めの良さそうな、つづら折りの階段が見えたので、駅を出て登ってみます。海岸と山のわずか200mほどの間に、集落と畑、駅という人の営みが詰まった景色。海岸線を境に海と空しか見えない潔さもたまりません。なお、階段を登った先には台地が広がっていて、また別の集落もあるようです。帰りは海側のホームへ。穴内駅ではしばしば列車のすれ違いが行われます。反対からやってきたのは、海側にオープンデッキのある「しんたろう号」でした。