阿品東駅 あじなひがし 広島電鉄宮島線 広島県廿日市市(Open in Google Maps) 広島の市街地から路面電車に揺られて1時間。車窓が一気にひらけて瀬戸内海が見えると、そこはもう阿品東駅です。跨線橋に上がれば、見渡す限り島々の織りなす稜線が続き、厳島神社で有名な宮島もすぐ眼の前に迫ります。夕暮れ時に見られるのは、列車が着くたびに、ぽつぽつと家路につく人々の姿。そこには、観光地にはない、日常の風景が広がっていました。 広島駅から約1時間。休日の日中の本数は1時間に6〜9本。無人駅。 訪問:2016年10月 / 更新:2018年6月11日 阿品東駅は日本でも珍しい、路面電車の車両がやってくる海の見える駅。ホームの正面には瀬戸内海が広がり、似島や江田島など、広島湾の島々を見られます。現在は路面電車型の低床車両のみが走っていますが、1991年までは一般的な列車と同じ高床の列車も走っていました(参考)。段違いのホームはその名残です。南には宮島(厳島)がどーんと構えています。阿品東駅から、宮島の最寄りでもある終点・広電宮島口駅までは3駅です。ホームのそばには跨線橋があり、そこからの眺めは抜群。こうして見ると、ホームと海との近さがわかります。列車は10分と待たずしてやってきます。ときたま地元の人の姿も。跨線橋から見る広島湾。広島の市街地もよく見えます。だんだんと日が暮れてきました。駅の山側には国道2号線が通ります。山陽の大動脈だけあって、車は絶えません。住宅も立ち並んでいますが、商店などはほとんど見当たりません。なお、写真右手の丘の上には廿日市ニュータウンがあります。駅に、街に、宮島の集落に明かりが灯り始めました。海を見つつ再びホームへ。精算は車内で行うため、駅舎も改札も通らず、ただスロープを上るだけ。列車が来ない間はいたって穏やか。宮島とうって変わって観光客の姿はありません。日没とともに、広島駅へと帰ります。1時間強の、のんびりとした旅路です。