大谷海岸駅

おおやかいがん

震災前の2007年3月、JR気仙沼線の大谷海岸駅を訪ねました。ここは「日本一海水浴場に近い駅」として知られており、駅舎から海水浴場に伸びる歩道橋もあります。鉄道駅としては無人駅ながらも、立派な道の駅を併設。建物の中には、特産物販売所やレストラン、さらには地元名物のマンボウのいる水族館もあり、賑わいを見せていました。

それから9年後の2016年2月、再訪。駅舎は取り壊されていましたが、跡地は道の駅の駐車場になっており、その奥には、ホームの地面がほぼそのままの形で残っています。しかし、9年前に海を少し遮っていた松林は跡形もなく、代わりに当時は想像もつかないほどの広い視界がありました。海が見渡せることがこれほど虚しく思えたことはありません。

*2021年3月に道の駅がリニューアルされ、現在は状況が異なります。記載の情報・写真は訪問当時のものです。